子どもの安全性に配慮した安全な浴室の考え方

カテゴリー3

2020.09.16

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LCT

厚生省の統計によると、子どもの死亡事故というのは年々減少傾向にありますが、0〜9歳までの年齢で年間2700人程の子どもが「不慮の事故」で亡くなっていますが、交通事故を除くと、その多くが溺水・溺死による事故です。

参考:平成30年(2018)人口動態統計月報年計

子どもの溺水は脳機能にダメージを与えてしまい、溺水状態が10分以上続くと、助かったとしても後遺症が出ることもあります。また発達障害のリスクも高くなるとされています。それだけに浴室での溺水・溺死事故というのは十分に注意しなければならないポイントです。

参考:小児の溺水による低酸素性脳障害のCT所見と予後

では、具体的にどのような状況から浴室内での溺水・溺死事故は起こっているのでしょうか。

目次

主な溺水・溺死事故の発生状況

参考:平成29子供事故の現状について(消費者庁資料)

事故の発生状況としては、

・親と一緒に入浴し、目を離した隙に溺れる

・親が目を離した隙に子どもだけで、風呂場にいき溺れる

・風呂場で転倒してしまい溺れる

といったようなケースが多いようです。このような溺水・溺死事故を防ぐためにはどういったことに親が気をつけるべきか、どういう対策ができるかをそれぞれ注目していきましょう。

日常で気を付けるべき点

子どもから目を離す時間を意識する

溺水の事故は親と一緒でも多く起こっていて、ふと目を離してしまった瞬間に危険が潜んでいます。複数の大人が関わって入浴することができれば、目を離す事もなく、一番の安全な入浴方法ですが、ご家庭によってはどちらかの親が1人でしなければならないこともあります。親が1人の場合、親がシャンプーをして、シャワーで髪を流す時、どうしても子どもから目を離す時間ができてしまいます。その時の「いつも大人しくしているから大丈夫だろう」といったほんの少しの気のゆるみというのが、溺水・溺死事故へと繋がっています。なるべく子どもから目を離す時は目を離していると自覚を持って注意をし、10秒毎に細かく確認をするなど事前に注意することを親が決めておくことで、事故のリスクは減るので気をつけましょう。

残し湯をしない

入浴後にお風呂の湯を残してしまうと、浴槽のまたぎ口の高さが50㎝以下で、子どもの身長が70㎝以上ある場合、子どもが勝手に浴室まで入った際、浴槽をのぞいて転落し、溺水してしまうという危険性があります。使用後のお湯は溜めないようにして、未然に事故を防ぐようにしましょう。

子どもに湯加減をみさせない

子どもができることが増えてくると、子どもと一緒に家事をされるご家庭も多いかと思いますが、お風呂の湯加減を見にいったら溺水・溺死していたというケースもあります。安全対策として、ある程度の年齢になるまでは浴室の家事などは親がする方が良いです。

家づくりで気を付けるべき点

浴槽内の滑り止めのチェックする

ほとんどのメーカーの浴槽には滑り止めが付いていますが、メーカーによって仕様が違うので、子どもの導線を意識してから浴槽を選ぶことで、またぎ時の溺水のリスクを軽減することができます。

浴室扉の高い位置にチャイルドロックを付ける

子どもが浴室に入れないように高い位置にチャイルドロックを付けるというのは、子どもがいる家庭ではとても大切になります。今は子どもがいないが、将来的に可能性がある場合、なるべく家づくりの時からこのような設備を整えておくことで、溺水・溺死の事故リスクというのは大幅に変わるので、取り入れておきたいところです。

まとめ

子どもの浴室内での溺水・溺死というのは、大人が目を離した時に起こることが多いのですが、少しの工夫で事故のリスクを回避することができます。浴室での溺水・溺死の多さを知っておくことで、浴室内でできる溺水対策はあらかじめ全て行なっておくことで、安心して子どもとの入浴ができ、万が一、溺水事故が起こった際の対処もスムーズになり、軽度なもので済むことになります。子どものためにできる安全対策はしっかりとしていきましょう。

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